×

CATEGORY

HOME»  ブログ記事一覧»  鮒寿司 通信»  鮒寿司 通信 No.22  ~宮沢賢治と鮒寿司~

鮒寿司 通信 No.22  ~宮沢賢治と鮒寿司~

鮒寿司 通信 No.22  ~宮沢賢治と鮒寿司~

本を読む機会が増えました。
 
最近の本屋さんはカフェが併設されている所も
多く、温かいコーヒーを飲みながら
ゆっくり本を読むことが出来る、素敵空間です。
 
先日ふらりと出かけた本屋さんで、
懐かしい本を目にしました。
 
「注文の多い料理店」。
 
宮沢賢治の童話です。
 
彼は他にも素晴らしい童話を書いていて
作家、詩人として有名ですが、
彼が生涯心血を注いだのは農業改革でした。
 
地元花巻の農家はどこも貧しく、
苦しい生活を強いられていました。
 
そんな状況を少しでも変え、農家の暮らしを
安定させるために勉学に打ち込み、
土壌改良の研究に努めました。
 
賢治の文献にある言葉を借りると、
「多肥多収」を目指していたのです。
 
「多肥」とは化学肥料のことです。
 
化学肥料を使い土壌を改良し、
生産を安定させる。
 
これが何より花巻の農家の救済だったからです。
 
「化学肥料=農薬」ときくと
現代の私たちは敏感に反応します。
 
健康のためには化学肥料の使っていない作物を
摂取することが望ましいことを知っているから。
 
けれど、時代や環境が違えば、
必要とされるものも変わります。
 
人はみな生きている場所が違うのだから。
 
 
しかし、それでも変わらないものも
少ないけれどあります。
 
私たちが誇る「鮒寿司」は
その代表かもしれません。
 
鮒寿司は100年以上前から
ほぼ変わらぬ製法で現代まで受け継がれています。
 
そして今もずっと愛され続けています。
 
短い行数で書きましたが、
これは大変なことなのです。
 
受け継がれるものの価値があり、
受け継ぐものの覚悟と努力があってこそです。
 
そこに信頼がついてくる。
 
100年も前から変わらない味が
そこにあることの奇跡に
感謝しなければと思うのです。
 
人は思い込みで動いてしまうことが
多々あります。
 
「化学肥料」=「悪」だと決めつける。
 
「鮒寿司」=「臭い、無理」と思い込む。
 
なぜ「化学肥料」が生まれたのか。
 
背景を知れば一概に「悪」にはならない。
 
「鮒寿司」に各店、各家庭それぞれの風味が
あることを知ればとても美味しい鮒寿司に
巡り合うことが出来るはず。
 
情報社会の中で生きている私たちだからこそ、
物事を決めつけてしまう前に
冷静に情報収集し判断することが今、
とても重要なのだと思っています。
 
 
宮沢賢治の童話はピュアで時にシニカルで。
 
どれも名作ばかり。
 
寒い日は温かい鮒寿司茶漬けを。
 
おともには賢治の童話を一冊いかがでしょうか。
           by 増茂  紀子
 
 

2021-02-02 21:35:00

鮒寿司 通信   |  コメント(0)

 

コメント

お名前
URL
コメント

CATEGORY

至誠庵だより

至誠庵から湖国の情報をお届けいたします。

至誠庵だより
至誠庵だより

月間人気ランキング

週間人気ランキング

人気ランキング

CONTENTS

メール会員登録