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今からおよそ千二百年前、弘法大師空海上人が、唐の国における学法を終え、
写経も完成させて、日本にご帰国になるその出航の時、秘密の教法流布に適する地 あれば、それを示せと、その手にお持ちになった三鈷(仏教の法具)を、東の空に
向かって天高くお投げになりました。その三鈷は、遠く海を渡って、高野山までと どき、松の枝にかかっていたと伝えられています。為に帰国後、お大師さまは、高野山の伽藍を建立なさることになるわけですが、この時の松は、三鈷松と名づけられ、今も大切に譲り育てられています。
ところで、松の葉は二本が普通ですが、この三鈷松は、三鈷の先のように、 葉先が三本に分かれています。これは、お大師さまのご法力によるもので、その松葉を拾って持っていると、必ずよい事が起こるそうです。以来、お大師さまにゆかりの土地に、この非常に珍しい三本葉の松が育つと、三鈷の松として崇められるよ
うになりました。
石山寺は、高野山より古い真言宗のお寺です。お大師さまは、自らの厄年に 三ヶ月間参篭して、ここで修行をなさいました。今も御影堂より、ご参拝の方々を見守っておられることでしょう。
石山寺の三鈷の松は、葉先が長いのが特徴です。 |